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『いきものづくしものづくし』『いきものづくしものづくし』シリーズってどんな内容なの? 福音館書店から満を持して刊行される『いきものづくしものづくし』は、毎月1冊ずつ12ヶ月にわたって出版されるシリーズです。 ◆ここに注目! その① ずらりがたのしい! その② 巻を跨いで楽しめる! その③ 世界を垣間見られる! |
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『このあいだに なにがあった?』 推理する面白さと喜びを味わえる写真絵本 『中を そうぞうしてみよ』身近なものを透かして見ると、どんなふうに見えるでしょう?X線写真を使って、椅子や貯金箱、鉛筆、ボールペンなど身近なものを透視してみます。椅子に使われている釘、貯金箱にたまっているお金、鉛筆の芯など普段は見えないものを見ることができました。中を想像する楽しみを味わってみてください。見ているだけで楽しめるシンプルな美しさを持った写真絵本です。 『なにかがいる』 気配を探り、そこにいるはずのなにかを探そう 『こんな こえが きこえてきました』たくさんの人が行き交う交差点。いろんな所からいろんな声が聞こえてきます。それぞれ気になることを話しているのですが、さて、誰がどこで話しているのでしょうか。声の主を探しだすことをくり返すうちに、雑多な交差点も、生き生きした人間関係が集まってできていることに気づきます。一見、複雑なものも、じつは単純な関係性が積み重なってできているのです。この世界の新しい見方を体得する画期的写真絵本。 テレビの教育番組で高い人気を誇る佐藤雅彦さんとユーフラテスの皆さんの作品、きっと誰もが一度は見たことがあるのではないかと思います。
原画展ではユーモアとセンスが光る4冊の絵本を紹介します。
時をつむぐ会事務局が佐藤さんに注目したきっかけは、作品の面白さもさることながら、あるエッセイを読んだことにあります。
本屋が1軒もない漁村で育ったという佐藤さん。
初めて自分で本を買ったのは高校1年生の時でした。その時に買った本が現在の研究テーマである「どうやったら、ある事が伝わるか、分かってもらえるか、という教育手法」の礎になったそうです。
その本というのが寺田文行さんの数学の参考書。進学校で落ちこぼれていた佐藤さんは参考書のやさしい佇まいに救われたと回想しています。(『暮しの手帖』「考えの整とん」より)なるほど、佐藤さんの作品は難しいことが親しみやすく表現されています。
この経験があってのことなんだと納得しました。同時にこの考え方を佐藤さんの絵本を通して多くの人に知ってほしいと思い、今回の選出となりました。
◆想像が広がる絵本の誕生 |
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『からだのなかで ドゥン ドゥン ドゥン』木坂 涼 文 あべ弘士 絵胸に耳をぴったりつけると、からだのなかから「ドゥンドゥンドゥン」と力強い音が聞こえてきます。これはふしぎないのちの音“鼓動”。だいすきなひとのいのちの音を聞いてみましょう。ひとも、いぬも、ねこも、とかげも、とりも、くじらも、みんなみんな、からだのなかに音をもっています。いのちの音が響く生きもの賛歌の絵本です。 私たちの一番身近にある「かがく」―それは私たち自身の体です。 この絵本はそのなかでも色々な生き物の心臓の音をテーマに描いています。 まずはお隣にいる大切な誰かの心臓の音。それから愛犬・愛猫の心臓の音、身の回りに生息する動物たちの心臓の音…そして遠くクジラの心臓の音にまで物語は広がります。 生きているってどんなことだろう。その究極のテーマを木坂涼さんのシンプルな文体と優しくて温かみのあるあべ弘士さんの絵でストレートに表現しています。 ドゥンドゥン、トゥクトゥク、タクタク…様々な心臓の音の表現もいいですよね。それぞれの生き物の鼓動の速さを感じ、自然と耳を澄ませてしまいます。 そして、最後の一行「いのちのおとが ドゥンドゥンドゥン」、じぃぃ~んと読み手の心にその重みが響いてきます。この絵本を読んだ後、ぜひ親子で心臓の音の聞きっこをしてみてください。 子どもは心臓の音をどんな風に表現するでしょうか。想像が膨らみます。 |
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『むしたちのおとのせかい』高梨 琢磨 文/土原 和子 文 福井 利佐 絵人に聞こえる音を出す虫は、音を使う虫の一部。実は人に聞こえない音を使う虫もたくさんいます。この作品には、セミやスズムシだけでなく、人に聞こえない高い音(超音波)や、草や土などを伝わる音(振動)を使う虫も登場。音を使う理由も、交尾のため、闘うため、敵から逃れるためなど虫によって様々です。虫たちの音の世界を生命力あふれる文章と切り絵で紹介。 虫が音を出しているのはどんな意味があるのでしょう。『むしたちのおとのせかい』は、虫が出す音をテーマにした絵本です。 文章を手掛けたのは昆虫博士の高梨琢磨さんと土原和子さん。長年の研究の成果を絵本で読めるなんて贅沢だと思いませんか?求婚のためだったり身を守るためだったり、読み進めるほどに虫ってこんなことのために音を出していたの!?と驚きがいっぱいです。 そして、この幾重にも重なった線で描かれる虫の絵。やけにリアルです。どうやって作ったかというと、写真をパソコンで一瞬にして絵にした…のではありません。実はすべて切り絵で作られています! とっても緻密で息をのむほど美しい作品です。原画展では、その芸術的な世界を皆さんに存分に見てもらいたいと考えています。 まだ切り絵に出会ったことのない子どもたちもきっと楽しんでもらえるのではないかと期待しています。切り絵ならではの立体感は原画でしか味わうことのできない感動です。ぜひ、会場でその緻密さを体感してください! |
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『巨大空港』鎌田 歩 作巨大国際空港の人、もの、乗り物を描きました 空港に朝はやく飛行機がやってきました。そして、電車やバス、自家用車などに乗って、お客さんや、空港ではたらく人が次々にやってくると、空港はまるで目を覚ますように動きだし、にぎやかになっていきます。にぎやかなのは人だけではありません。空港には、荷物もたくさんやってきて、世界中に運ばれていきます。夜になると、次は翌朝の飛行機を迎えるための準備を、休むまもなくすすめます。この本では、そんな空港のいちにちを描きます。 パイロット、CA、整備士そして飛行機…空港には沢山の人やものが働いています。でも、それだけではありません。空港までの道のりにもたくさんの人やものが関わりあっているし、1つの荷物が飛行機に積み込まれるまでには様々な工程があります。 『巨大空港』はそうした空港での人やものの繋がりをダイナミックかつ詳細に描いた絵本です。この作品を手掛けたのは鎌田歩さん。 これまでにも多くの乗り物絵本を描いてきた乗り物絵本のスペシャリストです。そんな鎌田さん、この作品を作るにあたり、成田空港を隅々まで取材されたそうです。 福音館書店が配信する「あのねエッセイ」(2019.9.4号)にその時の様子が紹介されています。鎌田さんは取材を通して、「旅行者が見ているのは空港のなかのほんの一部分(中略)空港は職場でもあり、観光地でもあり、商業地でもあり、旅の通過点でもある」ことに気がついたそうです。 私たちの暮らしは人やものの連鎖によって成り立っています。この絵本を通して、色々な人やものの関わりや繋がりもまた「かがく」だということが伝えられたらと思っています。 |
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『にゅうどうぐも』野坂 勇作 作 根本 順吉 監修ゲリラ豪雨も雷も、すべては入道雲から! 夏休みのある日のことです。朝はまだ曇り空。太陽が高くなるにつれてやがて青空に、そして時間とともに綿雲がうまれました。昼過ぎると綿雲は大きく成長し始め、ついにはむくむくと盛り上がった大きな入道雲となりました。入道雲が近づいてくると、生温かい風が吹き、さらに近づいてくると冷たい風が吹き下ろし、あたりには雷鳴が。そして落雷と土砂降りの雨です。ドラマチックな雲の一生を迫力いっぱいに描いた天気観察絵本です。 群馬の夏といえば「夕立」!にわかに空が暗くなると、ゴロゴロと音が鳴り大雨が降り出します。群馬の空の下で育つ子どもたちにとっても、夏の入道雲や雷雨はなじみ深いもの。 時をつむぐ会事務局は今回の絵本原画展の選書にあたり、初志貫徹『にゅうどうぐも』の原画を子どもたちに見せたいと思っていました。この作品は、夏の蒸し暑い日の空を定点観測のように追ったお話です。 絵本は見開きを縦に楽しむ変形タイプ。広くて大きい空が見開きの上半分に広がり、刻一刻と変わっていく空の様子が丁寧に描かれています。下半分には影絵のような形で子どもたちが描かれます。 作者の野坂勇作さんは「子どもが真ん中にある絵本をつくろう」と、福音館書店でかがく絵本を沢山作ってきた方。本作でもせみ採りに夢中になったり、洗濯物を取り込んだりと夏の日を過ごす兄弟の仲睦まじい様子が伝わってきます。 この絵本を作るきっかけを「長年、雲をスケッチしたり写真を撮ったりしているうちに、入道雲の絵本をつくりたいと思い立ち」と野坂さんは語っています。入道雲のできやすい地形をリサーチし取材を敢行したそうですが、その取材先に選ばれたのが上信電鉄の上州福島駅周辺。 私たちが暮らす群馬県の空でした。この奇跡的な偶然に時をつむぐ会事務局もびっくり。原画を展示できる喜びを噛みしめています。ぜひ、群馬の夏の空を思い出しながら原画を楽しんでみてください。 そして、原画展を見た後は実際に空を眺めてみてください。どんな雲があるでしょうか?冬の空は夏の空とどんな風に異なるでしょう。会場の中と外をリンクさせて楽しんでもらえると嬉しいです。 |
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『珪藻美術館』奥 修 文・写真顕微鏡で見る、最高に美しい極小ガラスアート ガラスでできた殻をもつ藻、珪藻。海や川、自然のなかから珪藻を採集してならべ、美術作品をつくっているのが、世界でも数人しかいない「珪藻アート」作家の奥修さんです。珪藻の殻の大きさは1ミリの10分の1前後。顕微鏡をのぞきながら、まつ毛や針先でつくった道具を操り珪藻をならべていきます。完成した珪藻アートは直径1ミリほど。ストイックな職人の技を極めた先に姿をあらわすのは……肉眼では見えない極小の世界の極限の美しさ。 「珪藻(けいそう)」という言葉を聞いたことがありますか?珪藻とは体がガラスの殻に包まれた藻のことで、川や水たまりなどどこにでもいる生き物です。 そればかりか、魚や海苔など私たちの食卓に上るもののなかからも見つかるそうです。その珪藻のガラスの殻を使ってアート作品を作っているのが奥修さん。『珪藻美術館』の作者であり、水産学の博士です。 珪藻はわずか0.005ミリから0.5ミリほどの大きさのため、顕微鏡を覗きながら作品を作ります。作業の際には埃を舞い上がらせないために靴下を履いてはいけないとか、油の粒が漂うので油炒めをしてはいけないというルールがあるそうです。 それほど小さなものをどのようにより分けていくかというと、奥さんが考案したお手製の道具を使っているのだとか。いったいどんな道具を使っているのでしょう?……その答えは、ぜひ展示と絵本で確かめてみてほしいと思います(アッと驚きますよ!)。 珪藻アートを作っている人は世界でも数えるほどしかおらず、実にニッチな業界ですが、奥さんはこの仕事を「私の人生にぴったり」とおっしゃっています。それというのも、奥さんは子どもの頃、川や海で生き物採集に夢中になり、星空や花火を眺めるのが大好きだったからだそうです。 巡り巡って珪藻という研究分野にたどり着き、水の中にいる藻を使って夜空のような珪藻アートを作る作家になったのです。会場ではマクロとミクロの世界が交差する珪藻アートの美しさを体感してもらえる展示を考えています。ぜひ期待していてください!! |
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